活動の記録

8月24日 緊急抗議集会に300名の参加 記者会見

夏休み中の緊急のお願いだったにも関わらず、約300名の方々がかけつけてくださり、杉並区が扶桑社版歴史教科書を採択したことに対する怒り、抗議の思いの強さ、大きさが示されました。中にはホームページを見て遠路福岡から新幹線で来てくださった方もいらっしゃいました。みなさまに感謝!感謝!です。
■ リレートーク
<個人で教育委員会に質問状を出し、いち早く調査委員会報告書の情報開示を求めた高橋さん>
「教育委員会事務局からの回答はなんら内容のないものだった。調査委員会報告書では委員長の報告書に扶桑社版歴史は『一揆や市民革命など、社会を動かそうとした大衆のエネルギーに関する記述が弱い。物事に対して一面的な記述が多いので、多面的なものの見方を育てることにつながらない』とあり、採択に反映されていない」

<中学生のお子さんが瑞草区との交流事業に参加したお母さん>
「子どもは瑞草区の友だちに来年杉並に行くからねと言われ、日韓の架け橋になろうと決意してきた。扶桑社版歴史採択の結果を聞いて涙を流して泣いた」

<杉並・瑞草区民シンポジウム実行委員長大門哲さん>
「私たちは負けていない。私たちの言ってきたことは正しい。長いたたかいになるが間違っていないのだから言い続ける」
その他、民団ヤンさん、杉教組長谷川委員長、都教組の方、九条の会杉並・有村さん、福岡から見えたお客さまたちの発言をいただきました。教科書ネットの俵さんからは全国的を見れば採択率は0.5%にとどまるというお話、杉並の運動は全国一だと思うというお言葉もいただきました。
全国的に見れば教育委員会の良識はまだまだ健在です。それだけに杉並の異常さが目立ちます。このような異常さを許しておくことはできない、これから採択の不当さを訴え、白紙撤回、やり直しを求め運動を広げ、強めていくことをみんなで再確認しました。
この公開質問状に対して、教育委員会からはなんら回答がありませんでした。教育委員会はこのしごくまっとうな質問にも答えられないほど不誠実、むしろ居直りの姿勢であると解釈せざるを得ません。つまり、こそこそ逃げざるを得ない不正な採択であったことを自ら認めたこととなります。「みんなの会」は今後法的手段に訴え、この暴挙に対して最後まで闘っていきます。
8.24緊急抗議集会終了後、教育委員会庶務課に行ったところ、エレベーター前にはずらりとガードマンが並び、階段は封鎖されていました。 いったい、私たちが何をすると思っているのでしょう? 己の身にやましいところがあるから、過剰防衛するのです。やましくなければ堂々としていなさい。(左の防火扉は普段開いている。この奥に庶務課がある)
教育委員会には「公開質問状に答えなかったことは、教科書採択における自らの非を認めたことと受けとる、『みんなの会』は今後法的手段も含め、扶桑社版歴史教科書採択の 不当さを告発し、白紙撤回への運動をすすめる」ことを通告しました。
2時から定例教育委員会を傍聴しました。20名の傍聴席に109名が希望し、また抽選でした。
教育委員会議事は一つの案件と2..3の報告で意見も少なく、50分程度で終了、4日、12日に一人で1時間近くもしゃべった大藏委員は欠席でした。教科書採択には一言も触れられませんでした。
委員会終了後、傍聴席から採択のやり直しを求める声が上がりました。すると教育長は逃げるように退席。他の委員も退席しました。 それから19名が残って民団のヤンさんを中心に教育長に面会、説明を強く求めました。教育委員会庶務課の和田課長は「公平公正に行われた教育委員会で採択されたので、教育長は説明責任はすでに果たしたと言っている」と繰り返すのみ。教育長は出張と称し逃げ出しました。“出張”先に電話して面会の日時を設定するようにと再三求めたところ、和田課長は席をはずし、戻ってきて、同じセリフを繰り返しました。ヤンさんは教育長に会うまでここに泊り込むと言いましたが、4時から記者会見の予定を組んでいましたので、記者会見会場に移りました。
ヤンさんは記者会見後、泊まるつもりで会議室に戻りましたが、会議室には鍵がかかっていたため、やむなく帰宅しました。
■ 記者会見報告
8.24 16:00から17:30に記者会見を行いました。記者、区民合わせて60名の参加でした。

・「みんなの会」東本よりこの間の経過報告。
採択の不当さを告発し、白紙撤回、やり直しを求めて、法的手段も含め運動を強化することを発表。

・ 小学校5年3年の子をもつお母さんより
「今まで政治に興味がなかったが、教科書がどうやって決まるのかこの目で見たいと思い、審議を2回聞いた。たった5人で決めることに驚いた。大蔵委員が一人で30〜40分話し続けおかしいと思った。ショックだったのは納冨教育長の「率直に申しましてどうでもいい」という発言。母親たちは「子どもにとってどれがいいのか?」を考え、育児ノイローゼになるほどなのに、教育長に「あんたたちの子どもはどうでもいい」と言われたのがショック。母親の動物的な勘でおかしいと感じた。自分は政治が好きでないがその一点だけならお話できると、ここに出ることを引き受けた。自分のような者がこういうところで話をしなければならなくなったことを記者に伝えたかった」

・ 杉教組長谷川委員長
「現場の教員が一番身近に子どもの気持ち、保護者の意見を知っている。調査委員会報告書で「おかしい」と述べている教科書を採択したことは認められない。現場では扶桑社版は最下位の評価。扶桑社版を採択するなら、現場の意見をきちんと論破すべき。書き換え問題は教育委員会が巧妙に仕組んだものである。まともな論では扶桑社は推せないので政治的圧力で採択した。自分がチラシをまいていた時、保護者がお茶を差し入れてくれ、杉並の中学には行けないと言っていた。納冨教育長の責任は重大である」

・ 杉並の教員
「教科書はなくても授業はできるが、杉並区教育委員会、東京都教育委員会の介入が激しい。週案を検閲し、教える内容を規制、副校長が授業内容を点検している。今までなかったしばりがかけられ、内容に介入している。杉並全体で教育を監視する必要がある。市民が教員と共に授業を作っていくような活動が必要。具体的に何から始めていくか?採択は当初より歴史のみで決めていたと思う」

・ 民団ヤンさん
「民団として7月末に要請したが、返事がはっきりしなかった。継続審議となって瑞草区から『このことは子どもの訪問と関係があるのか?』と質問された。納冨教育長に電話して聞いたところ、『自分は教育長なので子どもの訪問については知っていたが、教育委員の都合であり、それは関係ないと伝えてくれ」と答えたので、瑞草区に電話してそう伝えた。8月15日に民団ののど自慢大会があり、杉並はひどいので抗議しようということになって、教育長に面談を申し込んだが、和田庶務課長、松岡指導室長らに要望書を渡しただけ。扶桑社版歴史教科書には日本は生まれながらの先進国で、朝鮮は生まれながらの植民地と書いてある。それ以外にも124箇所の間違いがあり、到底認められない。納冨さん返事をしなさいと言いたい」

・ 区民
「区長、松浦芳子区議は『チャンネル桜』に出演している。区の後援で「つくる会」の講演を行った。区長は成人式で特攻隊を褒め称える発言をし、区の広報にパール判事、チャンドラ・ボースをたたえる記事を載せた。区長が「人柄がよい」などの理由で大蔵、宮坂を教育委員に任命した。納冨も区長の肝入り。教育委員会が区長に押さえられている」

・ 区民
「“英霊”たちは「よく戦って」死んだのではなく、大半が「餓死」したのだ。今、区役所6階4階はバリケードに囲まれ、ガードマンがすごい。区民を敵視し、税金を無駄使いしている。『五つ星の区役所』のポスター代も無駄使い」

・ 区民
「杉並公会堂建て替え問題の判決が今日あったが、『原告なになに、被告なになに・・・棄却』のたった3秒だった。これから30年間杉並区は一日400万近くの税金を払い続ける」