活動の記録

2010年2月2日、日比谷公会堂での杉並区長山田宏氏の発言に対しての抗議声明

2010年2月2日、日比谷公会堂での杉並区長山田宏氏の発言に対しての抗議声明
杉並の教育を考えるみんなの会
 

2010年2月2日、日比谷公会堂でおこなわれた「外国人参政権阻止!集会」で、杉並区長山田宏氏は、公然と事実に反する作り話を演説して在日韓国人団体を誹謗中傷しました。

ご存知のとおり杉並区は、扶桑社版歴史教科書を多くの区民の反対を押し切り採択しています。私たち多くの区民は、その採択時に“公正な採択”をするように様々に申し入れ・要請・抗議をし、テレビ・新聞などマスコミでも度々取り上げられてきました。

山田区長は、区民の真摯な抗議の一切を“在日韓国人団体”による動員行動であったと、事実を歪曲し、下記のような発言をしています。     「最も酷い反対をしたのが在日韓国人団体」「傍聴席に異常な数の在日韓国人がつめかけ」「在日韓国人たちが大声の野次、区長室前でのシュプレヒコールをした」これらの山田区長の発言は明らかに事実に反しており、実際は教科書採択にかかわる本会議への働きかけは“民団の動員”ではなく、一般区民によるものがほとんどでした。「大声の野次」も、まして、区長室に詰めかけての「シュプレヒコール」などは、在日韓国人に限らず誰一人として、今までかつておこなわれた事実はありません。これらはすべて、在日韓国人団体を貶めるための、山田区長の悪意にみちた作り話です。

さらに山田区長は、「外国の人が外国の教科書に対して、外国の地での教科書に対して、そこまで口を挟むのは意思決定違反である。」とも言っています。

ほんとうにそうでしょうか?在日外国人の方も、私たち日本人と同じく納税義務を負い、子どもたちを地域の学校に通わせています。外国人であろうと、日本人であろうと、子どもたちは「等しく教育を受ける権利」を持っています。その子どもたちが受ける教育に、保護者として意見を述べることは当然のことで、それが「意思決定違反」などになろうはずがありません。

以上のような山田区長の発言は、看過しがたい重大な問題を含んでいると私たちは考えています。杉並区長という「公」の立場で、在日韓国人団体のデマを流し誹謗中傷することは、民族的憎悪及び民族的差別を扇動することにつながり、他民族との共生共存の社会の流れから大きく逆行するものです。このような民族差別を容認していると、取り返しのつかない結果になることは、さまざまな歴史的な事件が証明しています。

私たちは、山田区長の民族差別のこの発言で、忌まわしい歴史的な事件である「関東大震災の朝鮮人虐殺事件」を想起しました。意図的なデマと外国人蔑視、排除の論理で人々を扇動するということがいかに危険であるかはこの歴史の事実が語っているとおりです。

よって私たちは、杉並区長山田宏氏に発言撤回と在日韓国人団体への謝罪を要求し、怒りを込めてここに「抗議声明」を発表します。

2010年2月26日